再開発なら『3分の2』で団地建て替え~国交相が都市再開発法を改正方針(区分所有法の決議は不要)~
投稿日:2016年01月18日 作成者:右田 順久 (2337 ヒット)
石井啓一国土交通相は1月4日、記者会見で、住宅団地再生促進のため、今通常国会に都市再開発法の改正法案等を提出する方針を示した。土地の所有者数を共有者数全体で一人と数える現行の規定を改め、構成する所有者単位で数える。
同法では所有者等の3分の2以上の同意で事業が進む。同省は区分所有法によらない、公法の法定再開発方式で団地建て替えを促進したい考えだ。会見で石井国交相は「区分所有法の改正ではなく、年再開発法の改正」と指摘。土地の共有者一人一人を組合員と数えるよう改め、「地方公共団体が都市計画による市街地再開発事業として住宅団地の再生を行うことを促進する」と説明した。
市街地建築課によると、一筆の敷地を共有する団地の場合、共有者の各区分所有者単位で所有者を数えることになる。同法では、一定の要件下、土地の所有者・借地権者は3分の2以上の同意を得て、市街地再開発組合を設立でき、自治体が認可する。公法の枠組みで権利調整が図られるため「私法で有る区分所有法の決議は不要」(同課)とされる。法定再開発としての団地再生事業のため、公益性も求められるが同課は介護・保育関連施設の併設等を想定する。法案は都市再生特別措置法など関連する改正法案一括の提出を予定している。
(マンション管理新聞平成28年1月15日付)