既存マンションの管理評価手法目指し制度に磨き<日管連>~マンション適正化診断サービス:来年から評価方法など変更~
一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連、親泊哲会長)が、おととし始めた「マンション管理適正化診断サービス」の調査内容・評価方法を来年から一部変更する。
修繕積立金の滞納状況についての調査を追加するなど、「長期修繕計画・修繕積立金」、「法定点検・修繕工事」における調査内容などを見直し、より適正な診断と評価ができるようにする。これまでは「割安な損害保険に加入できるかどうかを知る」ためのサービスという色合いが濃かったが、今後は既存マンションの管理評価手法として管理組合に認知される制度を目指す。
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「マンション管理適正化診断サービス」は2015年7月にスタート。診断結果に応じ、日新火災海上保険が発売する火災保険の割引が受けられるなどのメリットがある。日管連によれば、今年8月末現在で2131管理組合・3075棟が同サービスを利用している。1年で約1000管理組合が利用した計算で、「好評を博していると評価できる」(佐藤優副会長)と、日管連も好感触を得ているようだ。
同サービスは管理実態や長期修繕計画の見直し状況など、14の大項目をも設け、それぞれ内容を確認。マンションの築年別に、状況に応じて得点を付け、最終的にS、A、Bの3段階で評価を行う。今回は、この診断項目ごとに設けているチェックポイントや加点基準を一部変更した。来年1月1日から適用する。
長期修繕計画では「均等積み立て方式」を採用し、計画の最終年の資金計画が黒字の場合、加点対象になるよう配慮したほか、修繕積立金の設定状況では管理費・修繕積立金を3ヶ月以上滞納している区分所有者がいない」などの調査項目を新設した。給・排水管工事に対しては、漏水事故が増加傾向にある点も加味し、加点対象を厳しくした。施工業者が大規模修繕瑕疵保険に加入し、保証期間内かどうかも見る。
評価事項の変更について佐藤優副会長は「これまで保険のためのサービスというウエートが高く、ソフトの見極めが少なかった。今回の改定ではソフト面での項目を増やした」と説明する。最高ランクの「S評価」を得るのは、今までより難しくなりそうだ。「今後は『既存マンションの管理評価ならこのサービス』というように、制度に磨きをかけていきたい」と意欲を見せる。
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〚マンション管理適正化診断サービス〛・・・研修プログラムを終了した「診断マンション管理士」が、管理実態や長期修繕計画、修繕工事の実施状況など計14項目についてチェックを行い、診断結果やアドバイスを記した「マンション共用部分診断レポート」を作成、提供する。診断は無料で実施する。診断は無料で実施する。診断結果はS、A、Bの3段階で評価し、結果に応じて日新火災海上保険が発売する共用部分用火災保険「マンションドクター火災保険」の保険料金の割引が受けられる。S評価を受けたマンションの管理組合には、イオンプロダクトファイナンスの「共用部分リニューアル融資」を利用する際に優遇金利が適用されるなどのメリットがある。
(マンション管理新聞:平成29年10月25日付記事の抜粋)