2019年版総合管理受託戸数ランキング<マンション管理新聞>~グループ別15社で61.2%ノシェア・寡占化一段と~ 

投稿日:2019年06月01日 作成者:右田 順久 (6989 ヒット)

マンション管理新聞社は、管理会社各社の2019年3月末現在の総合管理受託 戸数の調査を実施した。その結果を「総合管理受託戸数ランキング」2019年度版として発表する。同集計には部分管理や賃貸管理戸数を除いた。集計した管理会社は502社。
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4月1日付で合併や管理事業を譲り受けた管理会社の場合は、吸収されたり事業譲渡した管理会社の3月末時点での受託戸数を合算して集計した。    「グループ別ランキング」は持ち株などで事実上支配下にある会社の管理受託戸数を総合集計したもの。管理会社上位12社に順位の変化はなかった。あなぶきハウジングサービスが昨年15位から二つ順位を上げて13位になった。
昨年7月1日付で子会社のあなぶきセザールサポートと合併、戸数を増やし12万1930戸でランクイン。伊藤忠アーバンコミュニティも昨年10月1日付で子会社のIUCコミュティライフと合併。10万6908戸を数え、昨年の16位から15位にランクアップした。上位15社まで10万戸を突破している。
1位の日本ハウズイングは45万戸目前、合人社計画研究所は20万戸の大台を超えた。グループ別ランキング15社の顔触れに変化はなかった。1位の大京グループと2位の東急コミュニティグループの差が昨年の1万4325戸から1万1088戸と、3237戸縮まった。
戸数別で見ると30万戸以上は4社、20万戸以上は1社(合人社計画研究所)増えて8社、10万戸以上は2社(あなぶきハウジングサービス、伊藤忠アーバンコミュニティ)増えて15社に、5万戸以上は1社(東京建物アメニティサポート)増えて22社に、4万戸以上は1社(明和管理)増えて30社に、3万戸以上は37社、2万戸以上は合併で3社(ICUコミュ二ティライフ、西新サービス、あなぶきセザールサポート)減って、1社(大和地所コミュニティライフ)増えて48社になった。
分譲マンションのストックは昨年末時点で654万戸と見込まれる。上位15社の市場占有率は53.7%で昨年から0.7ポイント増加、グループ別上位15社で見ても61.2%で昨年から0.3ポイント増加し、市場寡占化が一段と進んでいる状況が窺われる。
ランキング順位で市場占有率で見ると、上位10社では43.7%(昨年43.8%)、20社で59.2%(同58.0%)、30社で66.5%(同65.1%)、40社で71.4%(同70.1%)。50社で74.8%(同73.8%)100社で84.7%(同84.0%)、200社で92,6%(同92.0%)、300社で95.9%(同95.3%)となった。ちなみに、上位3社で18.6%(同18.7%)、グループ上位3社で23.1%(同23.3%)だった。
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増加戸数ランキングを左表に示した。―省略)
1000戸以上増加させた会社は昨年と同じ32社となった。1位から3位までは合併効果が大きく寄与した。
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管理委託費見直しの動きが顕著になってきた。管理員や清掃員などの採用難、最低賃金アップ、社会保険関連費用アップ、そして働き方改革の推進などから、受託している管理組合に管理委託費の値上げを依頼する動きだ。適正な収益が確保できない場合は管理継続の辞退を申し出るケースも増えている。大手管理会社の中には、親会社が分譲するマンションの受託管理に徹底し、リブレイスで受託した他社分譲マンマンションは、管理組合に自ら解約を申し出ているところもある。
管理会社も管理コストの上昇を指をくわえて見ているだけではない。少しでも上昇コストを自社で吸収できるように事務の効率化に余念がない。例えば、組合会計の業務効率化を目指してウェブ通帳化を進めているところもある。通帳レスにすることで増え続ける通帳保管や外に持ち出しての通帳記帳などの業務をなくし、大幅な業務改善と金銭事故防止につなげている。
すでに6割までウェブ通帳化を進めている大手会社も。AI(人工知能)やIoTを駆使したシステムの開発・運用にも各社は力を入れている。

国を挙げてマンションの長命化が叫ばれているが、その達成には「継続的な維持管理」が欠かせない。管理組合と管理会社が知恵を出し汗をかいて良きパートナーシップを構築することが求められている。
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<管理会社上位15社の顔ぶれ (2019年)>

順位 前年順位 管理会社 受託戸数
1位 1位 日本ハウズイング 448,774戸
2位 2位 大京アステージ 428,633戸
3位 3位 東急コミュニティ 338,581戸
4位 4位 三菱地所コミュニティ 334,601戸
5位 5位 長谷工コミュニティ 275,084戸
6位 6位 大和ライフネクスト 265,512戸
7位 7位 三井不動産レジデンシャルサービス 205,426戸
8位 8位 合人社計画研究所 204,652戸
9位 9位 住友不動産建物サービス 190,721戸
10位 10位 コミュニティワン 190,721戸
11位 11位 日本総合住生活 160,977戸
12位 12位 野村不動産パートナーズ 159,784戸
13位 15位 あなぶきハウジングサービス 121,930戸
14位 13位 穴吹コミュニティ  107,889戸
15位 16位 伊藤忠アーバンコミュニティ 106,908戸


グループ別ランキング 
(G:グループの意味)

1位 大京G            536,522戸
2位 東急コミュニティG      525,434戸
3位 日本ハウジングG       449,677戸
4位 長谷工管理ホールディングス  394,651戸
5位 大和ハウスG         360,619戸
6位 三菱地所コミュニティ     334,601戸
7位 三井不動産レジデンシャルサービスG  258,671戸
8位 合人社計画研究所G      230,356戸
9位 住友不動産建物サービス    190,721戸
10位 日本総合住生活        160,977戸
11位 野村不動産パートナーズ    159,784戸
12位 あなぶきハウジングサービス  121,930戸
13位 伊藤忠アーバンコミュニティ  106,908戸
14位 日本管財G          95,415戸
15位 東京建物アメニティサポート  74,618戸

*マンション管理新聞:2019年(令和元年)5月25日付より抜粋


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