『新型コロナ対応ガイドライン・(管理協・7月20日改訂版公表)』〜内容・大幅に拡充、5項書面・規定通りの対応必要〜

投稿日:2020年08月01日 作成者:右田 順久 (3139 ヒット)

一般社団法人マンション管理業協会(管理協)は、7月20日付で今年2月に公表した
『マンション管理会社の感染症等流行時対応ガイドライン』を改訂し『マンション管理業における新型コロナウイルス等感染症対応ガイドライン』として公表した。ガイドラインは感染拡大の第2・第3波が危惧されるとしており、管理協への相談や関係機関が広表した情報などを踏まえ、大幅に内容を拡充している。
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管理組合内で感染を覚知の場合の「十分な助言」
関連法令等への対応ではまず、総会の開催・延期に関する「管理組合の意思決定」と意思決定について集会や書面決議に代わる「ITを活用した承認」について追加。
公益財団法人マンション管理センターが広表した「新型コロナウイルス感染拡大における通常総会開催に関するQ&A」「ITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A」などを示している。
管理組合の意思決定では、収支決算・事業報告は「書面または電磁的方法による決議ではなく、集会をもって事業報告を行うことと解せる」とし「注意が必要」とした。マンション管理適正化法では、財産の分別管理(76条・同施行規則第87条5項)と管理事務の報告(第77条)関係の原則的な対応を追加した。
76条関係では、修繕積立金等の徴収や保管口座への収納、各種支払い手続きは「管理組合の根幹」として社員の配置体制を整えるよう努める、としている。毎月交付義務がある「5項書面」は「規定通りの対応が必要」とした。77条では管理業務主任者のマスク着用や管理者等と距離を保つ対応を上げている。77条と重要事項の説明等・契約成立時の書面交付におけるIT活用についても追加しているが、内容は適正化の政省令改正を踏まえガイドラインに反映予定としている。
ほかに法定点検・検査等の実施について新設。年1回の貯水槽の清掃では厚生労働省の建築物衛生法関連のQ&Aを示し「法に基づき実施しなければならない」とした。
法令以外では企業としての感染防止等の対策を新設。管理業者が管理組合内で感染者を覚知した際の留意点も示した。二次感染防止等の観点で「管理組合にその事実を報告する必要がある」としたが、報告を受けた管理組合の対応によってはトラブルになる可能性も指摘。そのため、あらかじめ理事長や理事会からの相談に応じ「該当住戸が特定されないようにするなどプライバシーおよび個人情報保護法への配慮」や「感染拡大防止」などの必要性について助言を行うとしている。
(マンション管理新聞:令和2年7月25日付)


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