基本方針・認定基準案を国交省提示<改正マンション管理適正化法>〜新制度施行で検討会設置・7月30日に第1回会合〜
国土交通省は「マンション管理の新制度の施行に関する検討会」を設置して7月30日、東京・霞が関の経済産業省別館で第1回会合を開いた。今年6月に公布された改正マンション管理適正化法で新たに規定された国の基本方針、管理計画認定制度における管理計画の認定基準、行政による助言・指導等の基準について検討する。来年3月まで全4回開催する予定で、座長には横浜市立大学国際教養学部教授の齊藤広子教授が就いた。
基本方針は2022年3月末までに告示する予定。マンション管理適正化推進計画制度、管理計画認定制度は22年4月のスタートを目標としている。この日の会合では新制度の概要と基本方針・認定基準案を提示し意見交換が行われた。(下記の基本方針案をご参照。)
「その他」の重要事項としてはマンション管理士制度の一層の普及促進、建築基準法に基づく命令等の措置、工事・設計コンサルタントの業務の適正化、ICT化の進展対応などが盛り込まれている.
認定基準は「管理費と修繕積立金の区分経理がされているか」「計画期間が25年以上の長期修繕計画が作成されているか」など、一般的な内容だ。次回は8月18日に行う予定。 ◇
検討委員会は齊藤座長を含め11人。一般社団法人マンション管理業協会・同マンション計画修繕施工協会らもオブザーバーとして参加している。座長代理は東洋大学理工学部の秋山哲一教授。他の委員は以下の通り。
戎正晴弁護士/岡本知佳子・神戸市民間住宅担当課長/鎌野邦樹・早稲田大学法学学術院教授/川上湛永・NPO法人全国マンション管理組合連合会会長/小林利之・公益財団法人マンション管理センター専務理事/篠原みち子弁護士/瀬下義浩・一般社団法人日本マンション管理士会連合会会長/富永信忠・東京都マンション課長/村井芳巳・戸田市まちづくり推進課課長
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【基本方針の概要(案)】
1.マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項
(1)管理組合、国、地方公共団体等の役割
(2)管理組合の役割
(3)国の役割
(4)地方公共団体の役割
(5)マンション管理士およびマンション管理業者の役割
2.マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項
3.管理組合によるマンションの管理の適正化の推進に関する基本的な指針
(マンション管理適正化指針)に関する事項
➀管理組合によるマンションの管理の適正化の基本的方向
②マンションの管理の適正化のために管理組合が留意すべき事項
(1)管理組合の運営
(2)管理規約
(3)共用部分の範囲および管理費用の明確化
(4)管理組合の経理
(5)長期修繕計画の策定および見直し等
(6)発注等の適正化
(7)良好な居住環境の維持および向上
(8)その他配慮すべき事項
③マンションの管理の適正化のためにマンションの区分所有者等が留意すべき事
④マンションの管理の適正化のために管理委託に関する事項
4.マンションがその建設後相当の期間が経過した場合その他の場合において当該マンションの建替えそ
の他の措置に向けたマンションの区分所有者等の合意形成の促進に関する事項
5.マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する基本的な事項
6.マンション管理適正化推進計画の策定に関する基本的な事項
➀マンションの管理の適正化に関する目標
②マンションの管理の状況を把握するために講ずる措置に関する事項
③マンションの管理の適正化の推進を図るための施策に関する事項
④管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針
(都道府県等マンション管理適正化指針に関する事項)
➄マンションの管理の適正化に関する啓発および知識の普及に関する事項
⑥計画期間
⑦その他マンションの管理の適正化の推進に関し必要な事項
7.その他マンションの管理の適正化の推進に関する重要事項
➀マンション管理士制度の一層の普及促進
②管理計画認定制度の適切な運用
③都道府県と市町村との連携
④建築基準法に基づく命令等の措置
➄修繕工事および設計コンサルタンとの業務の適正化
⑥ICT化の進展への対応
(マンション管理新聞:令和2年8月5日付)