1割強が『管理不全の兆候』<東京都・管理状況届け出制度>〜今年3月末時点届け出の8494棟中1226棟が該当。必須7項目の全て「無し」も26棟〜

投稿日:2021年08月01日 作成者:右田 順久 (962 ヒット)

・昨年4月にスタートした東京都の管理状況届け出制度で、届け出を済ませたマンションの14.4%が、管理組合がないなど「管理不全の兆候がある」と判断される状況にあることが分かった。

・6月21日にウェブ会議形式で行われた東京都マンション施策推進会議で、都が同制度に対する取り組みを報告。        今 年3月末時点の届け出数などを明らかにした。資料は都のマンションポータルサイトで公表している。
・同資料によれば、今年3月末時点における1983年以前竣工・6戸以上の「要届け出マンション」は約1万2400棟。     このうち8494棟が届け出を行っている。届け出率は約68%。
・同制度では管理組合・管理者等・管理費の有無に加え、管理規約の有無と最終改正年、年1回以上の総会開催の       有 無、総会議事録の有無、修繕積立金の有無・1平方メートル当たりの月額、修繕の計画的な実施の有無・直近       の 実施年などについて届け出するよう規定。この7項目のうち「無し」が1つでもあった場合は「管理不全の兆       候 がある」と判断される。
◇◇
・この日の報告では届け出マンションにおける7項目の「無し」も割合を提示した。
*グラフでは、以下の各項目についての「無し」の割合を示している。
管理組合が無し(3.6%)/管理者が無し(3.2%)/管理規約が無し(3.4%)/総会開催(年1回以上)が無し              (5.2%)/管理費の徴収が無し(1.1%)/修繕積立金の徴収が無し(4.0%)/修繕の計画的な実施が無し              (9.0%)。
・「無し」があったマンションでは7項目中「無し」がいくつあったかの割合を明示。
*グラフでは、“管理不全の兆候あり”とされる必須7項目のいずれかを含む1226棟の“必須項目”が無い項目数               (1〜7)毎に棟数を示している。(n=1226棟)「無し」が1項目:715棟/「無し」が2項目:188棟/「無              し」が3項目:121棟/「無し」が4項目:62棟/「無し」が5項目:71棟/「無し」が6項目:43棟/「無し」              が7項目(必須7項目が全てが無し):26棟。
・また「管理不全の兆候がある」と判断されたマンションにおける積立金の有無・修繕の計画的な実施の割合を示     した。7項目中「無し」とする回答があったのは届け出済の8494棟中の1226棟。全体の14.4%が「管理不全の兆       候  がある」と判断される結果となった。7項目中の「無し」の割合が最も多かったのは「修繕の計画的な実施」(9.0%が実施無し)。「総会の開催」が2位(5.2%が実施無し)。
◇◇◇
・1226棟中、715棟(59.3%)が「無し」と答えた項目は1項目にとどまっていた。
2項目は188棟(15.3%)、3項目目は121棟(9.9%)。7項目全て「無し」が26棟(2.1%)あった。修繕積立金制
度がないケースは3割弱に及んでいる。
・2021年度は管理不全の兆候があるマンションに対する調査などに取り組む。

(マンション管理新聞:令和3年7月25日付の記事より抜粋)


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