マンション管理トレンド調査(マンション管理業協会が公表)~ITを活用した理事会117社が導入済み(前回比55社増)などの取り組み状況~
ウェブ会議システムは6割強、テレワークは5割強が導入済み。一般社団法人マンション管理業協会(管理協)が7月21日に公表した「マンション管理トレンド調査2022」の結果概要で、会員社におけるIT活用の取り組み状況が明らかになった。「ITを活用した理事会」開催を導入・検討する会員社は前回の167社から216社に増加している。
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調査は今年で4回目。前回同様、IT活用の取り組み、働き方改革等の実施状況、管理計画認定制度・管理適正評価制度の取り組み状況について尋ねた。今年4月1日~5月13日、会員社355社を対象に実施し333社が回答した。
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<IT活用の取り組み>
AI・IoTなど先進技術の導入について尋ねた。「導入済み」とする回答が最も多かったのは「ウェブ会議システムの導入」で209社。導入率は62.8%に上る。前回の186社から23社増え、「検討中」の54社を合わせると263社に達した。2位は「テレワーク(情報通信技術を活用した働き方)」で176社。前回は150社だった。3位は「管理組合収納口座の出納にネットバンキング活用」。トップ3は前回と同じだった。
「ITを活用した理事会」は117社が導入済み。前回は62社で55社も増えた。「電子契約サービス」の導入済みも20社から38社に増加した。
先端技術の導入における課題についても尋ねた。トップ3は「導入コストが高い」(226社)、「組合のインフラ整備」(185社)、「技術動向を見極めている」(118社)
IT重説・書面の電子化等については「ITを活用した重要事項説明書」を導入済みだとした会員社が最も多く30社。
<管理計画認定制度の取り組み>
183社が「管理物件所在の市区等の施行に合わせて提案予定」だと回答。「すでに管理物件に対して国の認定基準について説明を実施済み」が60社。「特に検討していない」が82社あった。
検討していない」の理由のトップは「地方公共団体の動向がわからないため」(51社)」
<管理適正評価制度の取り組み>
137社が「管理物件に当制度に関する説明をしている」、67社が「年間計画を立てて管理物件に提案している」と答えた。「『等級評価』で低評価項目のあった管理物件に改善の提案をしている」のは44社。85社が「特に提案予定はない」とした。理由は「管理計画認定制度の動向がわからないため」が54社で最多。
<働く方改革等>
183社が「今回の新型コロナ対応により新たな取り組みを始めた」、123社が「すでに取り組んでいた」と答えた。「新たな取り組みを検討中」のトップは「在宅勤務、テレワーク」(184社・複数回答)
<災害等対策>
災害時等における事業継続計画(BCP)は99社が策定済み。作成中も58社あった。管理組合への提案は「防災備品の購入」(210社)が最多だった。
(マンション管理新聞:令和4年7月25日付記事より抜粋)