大規模災害の損壊マンション~8割の同意で解体に~

投稿日:2013年01月30日 作成者:右田 順久 (2175 ヒット)

法制審議会(法相の諮問機関)の部会は29日、大規模災害で損壊したマンションについて区分所有者の5分の4以上の同意があれば解体や敷地の売却ができるとする要綱案を決めた。法務省は被災マンション法も改正法案を通常国会に提出する方針。従来は民法が適用され所有者全員の同意が必要で、東日本大震災の被災地で生活再建が遅れる弊害が指摘されていた。要綱案では、被災地で家や土地を借りている人の保護を定めた「罹災都市借地借家臨時処理法」も見直される予定である(朝日新聞1月30日)

*この法律の改正により、大規模一部滅失建物を対象に、管理組合は一旦取り壊して敷地売却または再建する選択肢と、買手がいれば取り壊さず、そのまま売却できる選択肢が用意されることになり、東日本大震災により被災した宮城のマンションと同様なケースが起った場合での法基盤も整備されることになります。

標準管理規約改正の動き(「コミュニティ形成」削除問題)を牽制~管理協・理事長が賀詞交歓会で本末転倒と挨拶~

投稿日:2013年01月30日 作成者:右田 順久 (2453 ヒット)

(社)高層住宅管理業協会(管理協。主要管理会社が加盟)は1月16日、都内のホテルで、太田昭宏国交大臣以下政府関係者などを招き賀詞交換を開催した。その冒頭挨拶において、山根理事長はマンションという居住形態において健全なコミュニティ形成が大きく関わっていることを挙げて、現在国交省で進められている標準管理規約見直し作業含めた検討会において「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」についての規定を見直そうとする動きが有る点に触れ、重大な危機感をにじませる発言を行った。これに対し太田大臣も自身の選挙区でマンションの防災訓練に参加した経験を披露しコミュニティの大切さも痛感したと呼応、マンションの耐震化支援を重要な政策課題に挙げた上で、コミュニティ形成の重要性であるとの考えを示した。(マンション管理新聞1月25日)

*この標準管理規約からコミュニティ形成の文言削除の検討に対しては、管理組合で構成する団体、マンション管理士会で構成する団体などから強い反対意見も出ており、また東日本大震災後の防災対策を進められる中、その重要性についての意識が高まる動きに逆行すると受け取るマンションの管理組合の関係者も多いため今後の成り行きが気になるところです。

東京・豊島区が管理条例制定へ

投稿日:2013年01月03日 作成者:右田 順久 (2236 ヒット)

豊島区は、適切な管理運営を促そうと、「マンション管理推進条例」の制定に行った。その内容として、管理規約や総会・理事会議事録の作成・保管・閲覧、設計図書・修繕履歴や長期修繕計画の作成、町会加入の義務化なども含まれている。管理組合に対し、管理状況の届け出も義務付けており、未提出や条例の規定に適合しない組合に対しては、指導・要請・勧告の上、マンション名の公表する罰則も設けた。(マンション管理新聞、12月25日付)

国土交通省の「マンション適正化指針(2001年)」の中にも、地方公共団体のマンションの管理の適正化の為の情報提供、ネットワークの整備など記載されていますが、条例として制定したのは初めてのことであり、今後他の地方公共団体への波及も注目されます。

「欠陥工事で震災被害」~仙台でマンション住民が業者提訴、また賠償請求 郡山でも~

投稿日:2012年10月09日 作成者:右田 順久 (4447 ヒット)

東日本大震災でマンションが壊れたのは欠陥工事が原因だとして、仙台市の管理組合(2006年分譲、64戸)が施工会社などに損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。訴状によると地震の揺れを吸収する緩衝材の「構造スリット」が設置されてなかったなどの問題が住民側が依頼した検査会社の調査で判明した。また同様の訴訟が福島県でも起きており、半壊したマンション(38戸)の管理組合は販売会社、施工会社などの、約12億5千万円の損害賠償を求めて福島地裁に提訴した。その訴状によれば耐震強度が建築基準法に定める基準値を満たさず、組合側は「違法かつ悪質な耐震偽装」と主張しているケースもある。(朝日新聞10月6日朝刊)                                                     *震災後、手抜き工事などによる構造欠陥が判明したとしても、時間が経過している場合には、請求しても時効により棄却されるケースも多い。住宅品質確保促進法(品確法、2000年施行)の新築物件の引き渡しから10年以内の瑕疵担保責任や、民法の損害賠償請求権が消滅する20年が過ぎた場合には救済は難しいのが実情である。ただ日本弁護士連合会では地震等で損害が表面化してから数える特別法の制定を求める意見書をまとめる動きもあり将来的実現を期待したい。

被災マンションの解体を緩和へ~法制審議会諮問~

投稿日:2012年09月11日 作成者:右田 順久 (2200 ヒット)

マンションなど所有者が多数いる建物が被災した場合、5分の4以上の同意があれば再建でき、4分の3以上の同意で壊れた部分を修復できると定めた法律(被災マンション法、平成7年制定)があるが、解体する場合には規定がなく、民法の規定による全員の同意が必要となる。東日本大震災で被害を受けたマンションを解体する際にも手続きに時間がかかるケースがあることから、現行法を災害時には例外的に緩和するよう法制審議会で諮問。危険な建物を放置を防ぐ目的もあり災害時の建物再建などについて定めた「被災マンション法」を改正し、全員の同意がなくても建物を解体したり、敷地を売却したりできる規定の創設を検討している。(朝日新聞9月8日朝刊)

修繕積立金、意図的低額なら監督処分も~国交省局長が示唆~

投稿日:2012年07月03日 作成者:右田 順久 (2300 ヒット)

分譲時のマンション販売業者による修繕積立金の「意図的な低額提示」に関する質疑が6月20日衆議院国土交通委員会であり、柿澤議員(みんな)よりの20111年4月に修繕積立金の目安を示すガイドライン公表の経緯を踏まえた質問に対して内田国交省土地・建設産業局長が、答弁で示唆した。過去に低額提示に関する処分はないものの宅建業法47条にも抵触可能性があり処分対象となり得るとしたもの。(マン管新聞6月25日877号) 分譲業者側と分譲後の管理をいずれも管轄する国交通省として注目すべき示唆であると思う。

分譲マンションでもEV導入機運が高まる~課金・徴収迄可能とする設備開発で~

投稿日:2012年07月03日 作成者:右田 順久 (2312 ヒット)

環境保全の高まりを背景に電気自動車(EV)の普及が進む中、大手デベロッパーの新築マンションへEV充電設備の採用化に伴い、既存マンションでも導入機運が出ている(マン管新聞6月25日877号) 既存マンションの設備を導入するには総会承認も必要となる。マンションの付加価値の向上とはなるが、費用負担についての衡平性など合意形成がキーとなると思われる。

東京都の既存分譲マンションの積立金の平均は9,503円、管理費の平均は14,566円

投稿日:2012年06月08日 作成者:右田 順久 (2188 ヒット)

マンション管理新聞による定期調査(2012年1月から3月まで既存の9726戸対象)の結果のデータ。一方、新築分譲マンションの場合は、修繕積立金の平均は7,283円と既存より低く、逆に管理費の平均は、17,481円と高くなっている。また管理形態についての平均割合は、常駐・通勤は68%、巡回は26.8%、自主管理が5%、一方新築分譲マンションの場合は常駐・通勤が88.6%、巡回が9.1%となっている。(マン管新聞6月5日)
マンションの立地、規模、築年数、分譲時状況など個々には様々ですが世の中のマンション状況を知るには参考となるデータ類と思います。

国交省が全国立入調査、指導率49.3%(前回比6.5%減)

投稿日:2012年06月07日 作成者:右田 順久 (2094 ヒット)

国土交通省はマンション管理業者への全国立ち入り調査(平成23年10月から3ヵ月)の結果を発表。管理業者148社を任意抽出し、「管理業務主任者の設置」、「重要事項の説明等」、「契約の成立時の書面の交付」、「財産の分別管理」、「管理事務の報告」の5項目について検査した。
その結果73社に対し是正指導を行ったが、制度改正に対する認識不足に起因するものも多いようである。(平成24年5月25日、マン管新聞)

「プロが教える!マンショントラブル解決への道」はお薦め本です!

投稿日:2012年06月07日 作成者:右田 順久 (2312 ヒット)

この本は私が所属する管理士会が、これまで実際に相談を受けた事例から管理組合役員・住民の方が分かり易く理解できて活用できるように、架空の“さくらマンション”の理事会での活動の中で協議・検討、判断の基準をシナリオ形式で解説しています。
皆さんにもぜひお薦めしたい一冊です。

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