『大規模物件で外部専門家活用拡大』~2023年度マンション総合調査の結果報告(その2)~
国土交通省が発表した2023年度のマンション総合調査結果について、マンション管理新聞では数回に分けて掲載している。今回は管理組合向け調査の「専門家の活用」から「外部専門家」をピックアップ。前回調査同様、「活用したことがない」が5割以上に達している。活用したことがある専門家は建築士が最多。2位は弁護士だった。
◇
専門家の活用状況は下の表をご参照。トップは4回連続で建築士(15.6%)。前回比0.8%増のマンション管理士と同0.1%の管理業務主任者が共に13.8%で同率3位。報酬を得て管理計画認定申請手続きもできる行政書士(1.1%)が今回追加されたが、同0.2%減の公認会計士と同率最下位。
「活用したことがない」は同1.7%減の53.3%だが、総戸数規模別では全10区分中7区分で減少した。特に大規模物件で専門家の活用割合が高くなっている。
「301戸以上500戸以下」で「活用したことがない」は前回比9.5%減で29.8%。「500戸以上」は同比4.8%減の11.4%だった。
◇◇
建物の形態別でも顕著で団地型は13.1%も減少して初めて3割を切り、単棟型との差は28.6%と過去最大を記録した。
選任理由のトップ3は同4.1%増の「大規模修繕等の実施」(47.4%)。同1.2%減の「」知識・ノウハウの不足」(32.7%)、「管理費の滞納等への法的措置」(30.5%)で前回同様。今回追加された「管理の適正化」が28.6%で4位。活用方法は「単発のコンサルティング業務」、「顧問契約」がそれぞれ4.0%、1.8%増で前回同様トップ2.
理事長・副理事長ら役員への就任は5%に満たないが、理事長以外の就任はいずれも前回比増。「監事への就任」は前回比で1.0%上昇した。
外部専門家の活用状況(重複回答) 単位:%
専門家(資格者名) | 2023年度 | 2018年度 | 2013年度 | 2008年度 |
弁護士 | 14.5 | 15.2 | 18.7 | 18.6 |
建築士 | 15.6 | 15.6 | 24,4 | 22.7 |
マンション管理士 | 13.3 | 13.0 | 16.4 | 13.1 |
公認会計士 | 1.1 | 1.3 | 1.7 | 1.8 |
税理士 | 4.3 | 4.0 | 2.6 | 1.8 |
司法書士 | 2.7 | 2.7 | 4.6 | 3.0 |
行政書士 | 1.1 | ― | ― | ― |
管理業務主任者 | 13.8 | 13.9 | ― | ― |
その他 | 3.3 | 3.1 | 4.3 | 3.6 |
活用したことがない | 53.3 | 55.0 | 45.4 | 49.7 |
不明 | 5.3 | 3.2 | 6.5 | 6.6 |
(マンション管理新聞:令和6年7月15日号の記事より抜粋)