『管理業者管理者』法制化(マンション管理適正化法改正)へ(国交省)~ガイドラインにのっとった運営を法制度上担保・来年の通常国会に法案提出~

投稿日:2024年10月14日 作成者:右田 順久 (185 ヒット)

マンション管理業者が区分所有法上の管理者に就任する「管理業者管理者方式」について、国土交通省は法制化を検討する。
6月7日に策定・公表した『マンションにおける外部管理者方式におけるガイドライン』にのっとった「適正な運営を法制度上担保する観点」からマンション管理適正化法を改正し、一定の実効力を持たせる狙いだ。同省不動産・建設経済局参事官付によれば、来年の通常国会への改正法案提出を念頭に置いている。
法改正後は有識者会議を設け詳細な運用等について検討する。施行日は未定。

   同局総務課企画官は法律の内容として、管理業者が管理者になったときの信義則、利益相反行為の禁止、報告義務のような「趣旨のことをイメージしていると」話す。
ガイドラインをベースにするが「法律論的にどれが法制化きるのか今調整しているところ。法制に位置づけられるものがあれば法制化したい。どれが盛り込めるのかは今の段階では言えない。」違反があった場合に監督処分や罰則対象にするかは「これから調整していくので申し上げられない」(同参事官付)としている。
法制化する理由について同参事官付は、ワーキンググループでのガイドライン作成の論議の中で、「『なるべく実効性が図られるようすべきじゃないか』といった意見も踏まえ、実態としてもトラブル事例やマンション管理センターに相談があるので区分所有者の保護を図る観点で検討する」と説明している。
適正化法改正後に有識者会議を設置し「施行に向けて詳細な運用や政省令を整理して有識者のご意見も踏まえながら実態とマッチする制度を検討したいと思っている」(同)
ガイドラインでは管理組合の通帳・印鑑の保管体制の望ましい対応や、利益相反取引等については日常管理における工事や取引発注で契約金額が総会決議や管理規約で定める金額以上は総会での承認を比すとすることなどが示されている。こうした点を有識者会議で検討の対象とするかは「議論するところではある」(同)
マンション管理適正化法の改正については住宅局が区分所有法制を見直し要綱案で示されている専有・共用部分の財産管理制度で、地方自治体にも申し立て権限を与える特例の付与を検討している。不動産・建設経済局参事官付によれば、これと合せて改正法案提出を念頭に置いている。

 住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当)付は、改正に当たり社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会を再度立ち上げ議論する進め方を想定している。
同小委員会で一緒に審議するかどうかについて不動産・建設経済局参事官付は「住宅局とあまり調整してないので今後調整していくことになると思う」と話している。
8月27日に発表した不動産建設経済局関係の2025年度予算の概算要求概要では改正後に設置する有識者会議の開催やマンション管理業の情報を一元的に把握できるポータルサイトの
整備費など、賃貸管理業の整備費も含め計3000万円を要求した。
同参事官付によればポータルサイトには同方式のメリット・デメリットや導入検討に資する情報の掲載をイメージしている。

(マンション管理新聞:令和6年9月5日号の記事より掲載)


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