「管理組合主体」を明確化<総務省研究会>~コミュニティー活動を地域パートナーに位置付け(財産管理にとどまらず活動を)~
総務省は2月16日、第4回「都市部におけるコミュニティの発展方策に関する研究会」を開き、報告書構成案を示した。
今後の方向性として管理組合をコミュニティー活動の主体として明確化する考えを示した。区分所有法を根拠とする管理組合に、総務省があえてコミュニティ活動の主体としてお墨付きを与える形。区分所有者と世帯主(居住者)が一致しないマンションにおける課題言及はなかった。次回の3月24日の会合で報告書をまとめる。
方向性案では、管理組合をコミュニティ―活動の主体として明確にし、「行政が協働する地域のパートナーとして、自治会等に加えて管理組合を位置付ける」。その発展形に自治体による管理組合への活動支援、マンション同士の情報交換の場の創出を挙げている。
これまで管理組合の支援活動は建物の維持管理等の観点から国土交通省や自治体の建築部局等が行っているが、自治体のコミュニティ―担当部局を含む「自治体による部局横断的なマンション支援体制の構築」を提言している。
防災面のマンションと地域の連携は有効とし、まちづくり協議会などマンションを含めた地域の組織設立推進も示した。主な議論では「管理組合の本来の役割は財産管理であるが、それにとどまらず住民同士の横のつながりを作る活動をすることが望ましい」との価値観を提示している。
研究会では自治会・町内会の加入率低下、役員の担い手不足等を背景に都市部のコミュニティーの新たな担い手として管理組合に注目。任意団体ではない管理組合の人的資源や頑丈な建物に期待を寄せるが、管理組合も高齢化や外部区分所有者の増加など担い手不足の課題を抱えている。
コミュニティー問題は活動費や管理組合業務との関係をめぐり国土交通省でも議論。標準管理規約のコミュニティ―条項削除を検討するなど、総務省の方向性とは一致していない。管理組合の活動を決めるのは誰か。議論を呼びそうだ。
(マンション管理新聞:2015年2月25日付)