再生推進・高齢化対応を提言<マンション2025ビジョン懇話会>~マンション管理の将来ビジョン5項目で取組み促す~
いわゆる「団塊の世代」がすべて後期高齢者になり、 65歳以上が全人口比の30%を超える「2025年問題」を見据えた、マンション管理の将来ビジョンを検討する「マンション2025ビジョン懇話会」(座長:斎藤広子明海大学不動産学部教授)が3月16日、東京・霞が関で開かれたシンポジウムで提言をまとめ、発表した。マンション再生の推進や高齢化対策など5点について、関係団体の取り組みを求めた。
提言は①マンション再生の推進、②居住者の高齢化への対応、③資産価値の維持・向上のための施策の構築、④マンションの多様化に備えた他業態との新たな連携、⑤マンション管理の新たな債務ーの5点。
①では耐震・省エネ・バリアフリー改修といった再生メニューの長期修繕計画への組み込み、資金計画対策、再生内容に応じた議決要件の設定、②では認知症や在宅介護等の知識と当事者の人権に配慮した対応ができる情報収集と、情報収集におけるルールの整備の必要性、地域との連携などについて言及。
③ではマンションが立地する町全体を盛り上げて付加価値を高めたり、市場評価につながるマンション再生の実施や情報提供の促進、④ではマンションの多様化に伴い、管理業者がサービスを提供する場合は積極的な他業態との連携が、それぞれ必要だと訴えた。
⑤では管理業者らに、管理を通じて得たノウハウやアイデアが共用部分設計に組み込まれるよう、開発業者らに提案すべきだとした。
懇話会は有識者10人で組織。一般社団法人マンション管理業協会(管理協、山根弘美理事長)が2011年に設置した「マンション長寿命化協議会」が前身で昨年、管理協の諮問を受けていた。
当日は、斎藤広子座長が山根理事長に提言を答申した。山根理事長は「先延ばししない。自分の親、子供、マンション、地域、国の問題としてしっかり取り組んで行きたい」と述べた。
(マンション管理新聞:平成27年3月25日付)