民泊新法「禁止でも参考モデルを」~可否の意思表示必要?「専ら住宅」規定 現状では解釈定まらず~
民泊サービスの在り方に関する検討会で論点の一つとして指摘されていた「専ら住宅使用規定の管理規約における民泊の可否」問題。国土交通省の香山幹市市街地建築課長(当時)は考え方を整理し、示したい」と答えていたが、どう整理されるのか。
民泊新法の制度設計で示された民泊の定義は「住宅を活用した宿泊サービスの提供」。住宅か否かの判断は宿泊日数を基準とし、「180日以下の適切な日数」以内であれば住宅として扱い、それ以上であれば旅館・ホテル等として旅館業法で扱う形となる。適切な日数は新法で示される。
では、民泊新法上の「住宅」は管理規約上の「住宅」とどう関係するのか。5月13日・第10回検討会で香山課長は個々の管理規約における「住宅」の意味はその規約を作成した人が決めるもので、「行政法上、住宅をどう定義しようと影響は受けない」と明言しているが、新法における民泊に対し、従来の管理規約で民泊が禁止できるとの考えは示していない。
佐藤将年マンション政策室長は「現行規約が紛争の原因になるのは避けたい。民泊新法の条文が明らかになった後対応するが、考え方や形式はまだ白紙。管理規約の性質上、最善は各管理組合が可否の意思表示を明確にすること」と話す。
ただ、多くの管理組合は標準管理規約に準拠し「専ら住居として使用」の規定以上に詳細な禁止規定を設けていない。特別決議で規約を改正するのも負担はある。現行規約のまま民泊禁止の解釈が定まればいいが、禁止するにも参考モデルが欲しい、という管理組合は少なくない。 (マンション管理新聞:平成28年7月25日付)