『「注意事項」参考に』改正個人情報保護法5月30日全面施行~個人情報保護委員会:収集・保管時のルールを提示~
5月30日の改正個人情報保護法の全面施行が迫っている。改正後は個人情報を取り扱う人数要件が撤廃され、居住者名簿を作成・利用する管理組合は「中小規模事業者」として法の適用対象となる。ただ、個人情報保護委員会が昨年11月に公表した同法ガイドラインには、業界団体・管理会社から「管理組合が具体的にどう対応すべきかイメージができない」などの意見が寄せられていた。
同委員会はこれを踏まえ、3月に個人情報を取り扱う場合の「注意事項」を公表している。正式名称は「自治会・同窓会向け 会員名簿を作るときの注意事項(個人情報保護法の改正に伴う対応について)」。タイトル通り本来は自治会・同窓会向けだが、同委員会は「管理組合もこの『注意事項』を参考にすれば基本的には大丈夫」だとしている。「注意事項」では個人情報を集めて第三者に配布や提供をする場合、本人から同意を得る、利用目的を特定し通知・公表する、集めた個人情報の適切な安全管理措置を講じる、など取り扱いのルールを明記。災害発生時の安否確認、委託先に提供するなどの場合は、本人の同意がなくても第三者に名簿を提供できるとしている。
一般社団法人マンション管理業協会(管理協)も会員会社からの問い合わせに対し、『注意事項』を参考にする旨管理受託組合に周知するよう、案内している。「『注意事項』を管理組合に置き換えて考えてもらい、さらに管理組合向けに解説を施した形で通知している」(業務部)。管理会社には「今回の改正は規制強化ではなく、あくまでも個人情報の利活用の促進」(同)として法令を順守した業務の遂行を促しているという。「注意事項」は同委員会ホームページから閲覧することができる、(マンション管理新聞:平成29年5月15日発行)