建替法規則(団地型の敷地売却)など改正~国交省、検討会の提示案を踏襲・3月中にも制度開始へ~
団地型マンションの敷地売却制度が3月中にもスタートする。
昨年10月、「住宅団地の再生のあり方に関する検討会」(浅見泰司座長)で提示された制度案を基に国土交通省は昨年12月、マンション建替え円滑化法(マンション建替法)施行規則・基本方針に加え、「耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン」の改正案をまとめ、パブリックコメントで意見を募集。2月28日に開かれる検討会を経て、3月中に規則・基本方針を改正し、公布・施行する。
団地型における敷地売却制度構築について国交省マンション政策室は「2017年度中に終わらせる」とするが、「中間取りまとめをいつ行うかなど、その後の流れについては、次回の会議次第」と話している。
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意見募集は1月22日締め切り。2月20日時点での意見集計を同政策室に聞いた。
意見提出者数(団体含む)と意見数は共に「数件程度」。意見内容は「団地内の全棟で手続きを同一化すべき」など、改正案に盛り込まれている点の提示などが多く、「具体的に中身に踏み込んだものはなかった」と話した。
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団地型の敷地売却制度は、団地内の全棟が耐震性不足と認定された場合に適用対象となる。全ての棟で5分の4の決議を行うことが必要だ。規則の改正案では、買受け計画の申請を規定する53条を見直し、他棟の買受け計画の認定申請を行う予定時期を追加することとしている。同一団地内の全要除却マンションが確実に買い受けられ、かつ除却されるようにする狙い。別記様式18の買受け計画書も他棟の認定申請予定時期を記載できるよう改正する。
基本方針は全ての棟で敷地売却組合を設立することなどを加える。ガイドラインは、再生方針決議や売却推進決議等は一般的に団地管理組合の普通決議で行う旨、法に基づく手続きは団地全体での合意を前提とし、各棟で進める旨を明記するなどの改訂を行う。
(マンション管理新聞:平成30年2月25日付)