適正化推進事業に1・22億円<国交省・19年度予算案>~「長期優良」では長計作成支援など・1年度比1・36倍~
国土交通省は12月21日、2019年度予算の決定概要を発表した。住宅局は引き続き既存ストックの維持・向上促進や地震対策に向けた事業を行う。
◇
マンション政策室は「マンション管理適正化・再生推進事業」を継続。18年度の約9000万円から1・36倍の1億200万円を計上した。例年同様、管理組合運営のモデルとなり得る先進的な取り組みなどに対し補助金を交付する。自治体が行うマンション実態調査等に対しても支援を行う方針だ。
住宅生産課は「安心R住宅」制度などを含む「住宅ストック維持・向上促進事業」を引き続き実施し、リフォーム市場の活性化や中古住宅流通を促進する。予算額は18年度比較比0・88倍の8億5500万円。「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は同期比1・07倍の45億円。マンションに対しては長期修繕計画の作成支援やリフォーム支援を行い、マンション政策室が管轄する。
消費税率引き上げに際し「住宅市場安定化対策事業」「住宅需要変動平準化対策事業」として計2085億円を付けた。新たに「次世代住宅ポイント制度」を創設し、耐震や省エネ、家事負担軽減等に資する新築住宅の取得やリフォームに対し、防災商品や子育て関連商品などと交換できるポイントを付与する。対象は19年10月以降に引き渡す住宅。指定された耐震等級やエネルギー消費量等級、劣化対策等級を満たす新築住宅を購入した場合、戸当たり30万ポイントを支給。長期優良住宅やネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の場合にはさらに5万ポイントを加える。リフォームの場合、断熱やバリアフリーに係る改修などを行った際、部位や設備に応じて同30万ポイントを上限に付与する。
建築指導課は社会資本整備総合交付金等の内数で「住宅・建築物安全ストック形成事業」を実施。同事業内に新たに「ブロック塀等の安全確保事業」を盛り込む。自治体が指定した避難路沿道ブロック塀等に係る耐震診断や除却、改修に地方公共団体が補助制度を設けている場合、国と地方公共団体、民間が1メートル当たり8万円を上限に工事費の分の1づつを交付する。閉じ込めや長期運転停止に係るエレベーターの地震対策にも取り組む。
観光庁は違法民泊の疑いがある物件を特定できるシステムの構築に乗り出す。海外の無登録仲介サイトにおける掲載物件情報を集めてそこから違法性が疑われる物件を抽出、リスト化するシステムを整備する。予算は同比1・78倍の1億9300円。
(マンション管理新聞:平成31年1月5日号発行)