分譲時『的確な情報提供を』・骨子案を承認<社会資本整備審・不動産部会会合>~将来の管理費・修繕膳積立金額「不動産業ビジョン」策定へ~
社会資本整備審議会・産業分科会不動産部会(中田裕康部会長)の第38回会合が3月1日、東京都内で開かれた。
この日は1992年以来、27年ぶりの策定となる「新・不動産業ビジョン2030年(仮称)」の概要と骨子案が示された。今後の業態の在り方として「開発・分譲」には、分譲時に将来の管理費・修繕積立金について的確な情報提供を行うよう求めた。
「管理」には、資産価値の維持・向上に向けた適切な管理サービスの提供、コミュニティ形成や高齢者の見守りといった付加価値サービスを通じた住環境の向上・管理情報の蓄積化・適切な開示を促している。
骨子案は大筋で承認され、3月28日開催予定の次回会合で取りまとめを行う方針だ。 ◇
「不動産業ビジョン」は、市場の発展を持続的に確保していくために官民共通の目標や、不動産業に関わる各事業者の役割などを示している。
骨子案では、マンション管理の現状として建物と居住者の二つの高齢化が進み、修繕衝立金不足、管理組合役員のなり手不足が課題になっている、とし指摘。
こうした現状を踏まえ、適切な管理、修繕・改修で長寿命化や付加価値化を図り、流通・活用を促す「ストック型社会の構築」など、7項目の官民共通の目標を設定した。
今後約10年の間に重点的に検討する政策課題としては、「ストック型社会」など10項目を提示。「ストック型社会」では、不動産の管理状況・ガバナンスを考慮した不動産評価、マンションの管理状況の把握などを挙げている。他では、不動産取引における災害リスクや不動産の性能、管理状況に係る情報提供の在り方など課題としている。
(マンション管理新聞平成31年3月5日付)