「書面の電子化にも言及」管理協が国交相宛に提出~適正管理の方策で要望<コスト削減効果大きい>~

投稿日:2019年09月01日 作成者:右田 順久 (1279 ヒット)

一般社団法人マンション管理業協会(管理協、岡本潮理事長)は8月6日、「マンションの適正な管理を確保するための方策に関する要望」を石井啓一国土交通大臣宛てに提出した。

具体的な要望は10項目(末尾の※印をご参照)
管理費・修繕積立金の負担軽減や管理組合資金を確保する観点から、税制優遇制度等の創設や長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象工事に機械式駐車場の解体・埋め戻し工事を追加するなどの措置を求めた。
マンション管理適正化法上の重要事項説明、契約成立時の書面交付方法に「電磁的方法」を追加する、また管理事務の報告にIT等を使った対面以外の方法を追加するなどの対応を求めている。
管理組合の都合による業務の縮小、管理業者の住所変更を、契約更新時に説明会を開く必要がない「従前の管理受託契約と同一の条件」の該当要件に加えるよう求めるなどの要望も行った。
管理費・修繕積立金については、一定割合を、勤労世帯なら所得税額控除、年金生活者世帯なら固定資産税の減額といった措置で負担軽減を図る、などのプランを示した。
重説等の電磁化については、管理員が常駐していない物件やリゾートマンションなど「管理業者の従業員が近隣で事業を営んでいないケースがある」と指摘した上で、IT技術を活用すれば地理的・時間的な制約をなくすことができ、従来要した時間・経済的コスト大幅に縮減できる、と訴えている。
重要事項説明書の電子化についても言及した。要望では、特に「従前と同一の条件」で契約を更新する際、「事前に全戸配布する契約書等の写しも相当量に上る」とし、電子化が実現すれば「経済的コスト縮減の効果は大きく、書類管理労力に伴うコストも大幅な削減が期待できる」とメリットを述べた。電子化が認められれば、書面の掲示を電子掲示板で行えるようになり、美観や効率性の向上も図れる、としている。


※【具体的な要望としての10項目】
(1)マンションの適正な管理を実現するための方策
1.管理情報の開示(法律関係)、2.情報開示マンションに係る優遇措置(予算関係)

(2)マンションの適時適切な修繕を実現するための方策
1.区分所有者が管理組合に納入する管理費・修繕積立金の負担軽減等の措置(税制・予算関係)、2.長期優良住宅化リフォーム推進事業の延長と拡充(予算関係)
(3)マンション管理適正化法の見直しに関する要望

1.AI・IoT等先進技術活用(法律関係)、2.重要事項説明の適正化(法律関係)、3.重要事項説明の同一の条件の対象の追加(法律関係)、4.管理業務主任者証の再交付(法律関係)、5.従業員証明書の記載項目(法律関係)
(4)その他の要望
1.大型の郵便受け箱設置・オープン型宅配ボックス設置のための補助制度の拡充(予算関係)

<マンション管理新聞:令和元年8月15日・25日付合併号>


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