未曽有の事態に直面<緊急事態宣言>〜マンション管理業も苦渋の選択:業務縮小・一部中止も〜

投稿日:2020年04月18日 作成者:右田 順久 (1880 ヒット)

新型コロナウィルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が4月7日、発令された。7都道府県が対象で期間は5月6日まで。宣言を受け、業務の縮小や一部中止・延期を決める管理会社が一定数に上っている。管理員や清掃といった現場の生命線ともいえる業務の縮小に踏み切るケースもあり、マンション管理業は未曽有の事態に直面した。緊急事態宣言発令を想定した対応については当初、現場業務の休止を打ち出したが、後に撤回するケースも。管理会社も混乱している。     ◇
4月8日午後4時すぎ。都内マンションの管理事務室に、業務委託する大手管理会社から1枚のFAXが届いた。「緊急事態宣言に伴う弊社管理業務のお願い」と題された文書には、宣言が解除されるまで「管理スタッフの配置ができない」、共用部分の各種工事・メンテナンスは延期する」などの対応が記されていた、ごみ出しについては収集日の搬出作業までを必要最低限のスタッフで行う、とされていた。突然の「宣言」に驚いた理事長は在宅勤務中のフロント社員に連絡。できるだけ管理員の勤務を続けてもらうよう求めた。結局、管理員は週明けの13日から時短勤務を実施することで決着がついたが、10日には管理会社側が翻意。管理・掃員共に従来通り勤務を続ける」と連絡があった。
当面の危機を乗り切った形だが、管理組合理事長は「ごみ出しだけは絶対にやってもらわないといけない。マンションが崩壊する」と口にした。
別のマンションでは10日、期間中における管理会社の正式な対応内容が掲示された。日常清掃は管理人が実施する場合を含め、ごみ出し・ごみ置き場の清掃などの一部業務だけを実施する、各種点検は一部延期・中止する旨の内容だった。管理組合理事長は「仕方ない」とあきらめ顔で語った。「コンシェルジュサービス休止。現場スタッフも時短をお願いしたい、と通告があった」と、都内大規模マンションの居住者。6月に予定する総会の日程も決まっていない。
「こんな事態だからこその管理会社。何のために管理委託費を支払っているのか」と、会社側の対応に困惑といら立ちを隠せない。

一連の業務縮小・一部中止は緊急事態宣言を受けた苦渋の選択だ。管理会社も関係会社を含めた社員の安全を守る責任があるが、「縮小・中止」に管理組合の理解が得られないケースがある。マンション管理業は開業始まって以来の緊急事態に陥った。
(マンション管理新聞:令和2年4月15日付)


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