新型コロナウイルス感染拡大におけるITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A
- 相談内容
Q1 区分所有法における集会の開催について、ITを活用することはできますか。
- 回答
A1
(1)電磁的方法による議決権行使
区分所有者は、規約または集会の決議により、電磁的方法によって議決権を行使することができるとされており(区分所有法第39条第3項)、集会に出席せずに、電子メールの送信やWEBサイトへの書込み等の電磁的方法を用いて議決権を行使することができます。
なお、事後の紛争の発生を防止する観点から、議決権を行使する区分所有者の本人確認のため、電磁的方法を用いた議決権の行使に際して電子署名を付することとしたり、あらかじめパスワードを割り当てておき、これを入力することとしたりすることが望ましいと考えられます。(2)WEB会議システム等を用いた集会の傍聴
集会が行われる会場をWEB会議システム等を用いて中継し、区分所有者が中継動画を傍聴することは可能と考えられます。
もっとも、この場合には、議決権行使の意思のある区分所有者は、書面や電磁的方法による事前の議決権行使や、委任状等で代理権を授与する代理人による議決権行使を行うことが必要であり、その旨をあらかじめ招集通知等で区分所有者に周知することが望ましいと考えられます。
WEB会議システム等を用いて集会の中継を行うにあたっては、動画配信を行うWEBサイト等にアクセスするためのID及びパスワードを、招集通知等とあわせて通知すること等が考えられます。
なお、区分所有者が、単に傍聴をするのではなく、WEB会議システム等を用いて集会に出席し、議決権を行使することを認めることについては、第三者が区分所有者になりすました場合やサイバー攻撃や大規模障害等による通信手段の不具合が発生した場合等には、集会の決議が無効となるおそれがあるなどの課題に留意する必要があります。
<マンション管理センターのホームページインフォメ―ションから(2020年5月20日付)>- 補足コメント
注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。