新型コロナウイルス感染拡大におけるITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A
- 相談内容
Q2 区分所有法では集会の開催について、第45条1項で「(略)区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる」としていますが、当管理組合は総戸数が多いこともありこれを採用することが非常に困難な状況です。現下の状況においては、「区分所有者全員の承諾を得なくてはならない」とする要件を、規約によって緩和することはできませんか。
- 回答
A2 区分所有法第45条第1項は、区分所有者が集会において報告を受け、討議をした上で意思決定をすることの重要性にかんがみ、集会を開催せず、区分所有者の書面又は電磁的方法による議決権行使のみをもって決議を行うためには、区分所有者全員の承諾が必要であるとしています。そのため、この全員承諾要件を規約によって緩和することはできないものと考えられます。
他方で、区分所有法においては、この制度とは別に、集会を開催した上で、議決権行使を書面又は代理人により行うこと(区分所有法第39条第2項)や、電磁的方法により行うこと(同条第3項)が認められていますので、大規模な区分所有建物において集会を開催するに当たっては、これらの方法を活用することが考えられます。
なお、ITを活用した集会の開催については、Q1を参照してください。(※)書面や電磁的方法による議決権の行使は、集会に出席しない区分所有者が、集会の開催前に、議事について賛否を記載した書面や電子メール等を集会の招集権者に提出することによって議決権を行使するものです。ただし、書面や電子メール等の提出をしたからといって必ずしも集会に出席したと扱われるわけではなく、区分所有法上は、定足数に関する規約がある場合において集会の決議をするためには、別途、その定足数を満たす必要があります。もっとも、規約に「書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす(標準管理規約第47条第6項)」旨の規定がある場合には、書面や電子メール等により議決権を行使した者も集会に出席したものと扱うことができます。
<マンション管理センターのホームページインフォメ―ションから(2020年5月20日付)>- 補足コメント
注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。